終わらないラストシーン
生きてる方が地獄なんて事は昔から分かっていた。
幸せなんて気休め程度の薬で辛さが緩和してる程度の人生なんてものは全部吹き飛ばしてしまえばいいのだ。
思い出すのは海だった。夕暮れの海が照らす君は僕の夕日だ。思い出すのはテレビだった。家電量販店で映る情景は君との生活そのものだ。思い出すのは朝だった。朝起きて甘えてくる君は僕の朝日だ。どこに出かけても君は隣を歩いている。ブリトーを食べている。手を繋いでいる。それが虚像になったのは何故だろう。
記憶は初夏から止まり、絶え間ない雨が過去を殺す。瞬間、全ての時が止まる。この感情は何者なのだ。何故フラッシュバックするものはいつも死ぬ瞬間なのだ。何故目が覚めても1人なのだ。幸せだった空間は孤独と静寂に蝕まれ、残ったのは君の匂いと下着だけ。どこに行ったんだろう。喪失感を2ヶ月、逃げたって浮かぶのは君の笑顔だ。ニュースで見る事故で亡くなる人が羨ましくなる自分が嫌いだ。分からない、これからどうしてきゃいいんだろう。誰かに縋ったら君は怒るかな。向き合って心を壊したら君は喜ぶかな。
いつまで人生をしてたらいいのかな。
明日も世間に生かされて過去に殺される。このままみんな消えてなくなったらいいのにな。
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